2009/08/13

オプションを付けた方がサービスが悪くなる場合がある?

ソフトバンクで2009/07/31からひっそりと提供開始された、「パケットし放題S」。他キャリア対抗措置という事で、パケット定額の下限が下げられています。

ただし、パケット単価が上がっているので、利用パケット数によっては、従来の「パケットし放題」よりも高く付く、というのは既に言及されているサイトもあります。

ここまでは既報なんですが、大概のサイトでは速報だったり、docomoやauとの比較なので、これ以上突っ込んで調べている所が見つかりませんでした。ので、自分の使用量で計算してみました。

携帯から送信可能なメールは3種類あるんですが、本家のソフトバンクサイトでも余り区別せずに、ただ「メール」と呼んでいたり、商品名の「S!メール」などと呼んでいたりするので、先に分類しておきます。

SMS(ショートメッセージサービス)
  • 140文字まで。タイトル無し。
  • アドレスは携帯電話番号(090-9999-9999)
  • 広義では、日本の携帯キャリア独自のショートメッセージ全般含むが、狭義では国際標準規格に対応したもののみ。国内で対応しているのはSoftbank 3Gとdocomo FOMA。
  • ソフトバンクではそのまま「SMS」と呼んでいる。
MMS(マルチメディアメッセージングサービス)
  • 300KB~1MB(機種による?)。ファイルの添付も可能。タイトル有り。
  • アドレスは携帯電話番号(090-9999-9999)またはEメール形式(xxx@example.com)互換も可能。
  • SMSに比べあまり広義で使われないようなので、国内で「MMS対応」となるのはソフトバンクのみ。
  • ソフトバンクでは「S!メール」の商品名で呼ぶ事もある。そのまま「MMS」と表記する事もある。
Eメール
  • 携帯電話とは関係ないメールサービスの規格。
  • アドレスはEメール形式(xxx@example.com)。タイトル有り。
  • 一般的な「携帯電話」でEメールから送受信する場合、MMSのEメール互換機能を利用しているだけで、Eメールそのものを送受信しているわけではない(出来る機種もある)。
  • iPhoneにはいわゆるメーラー(ex. Outlook、Thunderbird等)と同等のEメール受信機能があるため、PCのメールも受信可能。
  • またiPhoneでは、一般にISP加入時にメールアドレスが割り振られる(ex. xxx@biglobe.ne.jp、xxx@ybb.ne.jp等)のと同様に、xxx@i.softbank.jpというEメールアドレス(≠MMS)が取得可能。
  • この@i.softbank.jpというEメールをメーラーで受信可能(デフォルト設定?)なため、@i.softbank.jpがケータイメール(MMS)と勘違いされている。

もともとソフトバンクでは、基本料金プランで「ホワイトプラン」を選ぶだけで、キャリア内のSMS送受信、300KBまでのMMS送受信が無料でした。はみ出したパケット分や、EメールとのMMS送受信、Web閲覧などのパケットに対して、0.21円/1パケットの従量課金になります。

「パケットし放題」の場合、パケット単価が0.084円/1パケットになり、限度額が1,029~4,410円になります。

「パケットし放題S」の場合、下限が下がり、限度額が390~4,410円になるのですが、その分パケット単価がやや上がり、0.105円/1パケットになります。

これだけなら、パケット使用量に応じたトレードオフだけで、上記グラフから判断すればよかったのですが、「し放題S」のペナルティにはもう1点、これまで無料だったSMS/MMSの送受信が従量制になるというものがあります。

MMSの送受信にパケット料がかかる(黄色枠)のは想定の範囲内で、それだけなら、全メールSMS(140文字以内)で済ませばいい、と思っていたのですが、実際にはSMSの送信(赤色枠)まで従量制になるそうです。

これだと逆に送信にSMSは使わないで全メールMMSにした方が安くなりそうです。

これは対抗措置的な意味で他キャリアに合せた、という事らしいですが、これだとむしろオプションを付けている(=オプション料金を払っている)のに、オプション無しよりサービスが悪くなる、という状態が発生しています。

し放題Sへの変更を検討するなら、むしろ「パケットオプション無し」という選択肢も考慮した方がいいかもしれません。

以下、実際に自分のパケット通信を殆ど使用していなかった時期、大量に使用していた時期の平均値を元にした計算結果です。

大量使用時
SMS
ごく近しい親類、家族との連絡用。全員Softbank。
MMS
Softbank利用者からの長文・写メ、リマインダーやPCメール転送用。他キャリアの知人との連絡用。
Web
mixi、ニュース、Google Reader、Gmail。平日20日間の朝、昼、夜に30分前後。

MMSはなるべく使わず、GMailのモバイル版を利用。そのため一般的なMMS使用分がWebに繰り入れられています。

他キャリアの知人には"xxxx+mobile@gmail.com"をケータイアドレスとして周知して、着信確認用に@softbank.ne.jpに転送、読むのと返信はケータイブラウザでGmailモバイルから。SoftbankではMMSの着信でも先頭数十文字のプレ着信では課金されず、「全文受信」するとパケット料金が発生します(多分)。

少量使用時
SMS
ごく近しい親類、家族との連絡用。全員Softbank。
MMS
Softbank利用者からの長文・写メのみ。
Web
知人と外で待ち合わせする時にGmailモバイル。

結局、最初のグラフからもわかる事ですが、し放題Sが一番安くなる使用量帯(390~1,028円)はかなりピンポイントで狙わないと収まりません。もし「パケットし放題S」にするのなら、SMS送信は行わない方がいい、という事だけ解りました。

参考